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ベストセラーになっている話題の書。
ニセモノ食品の見抜き方やいい店の選び方、おすすめ全国チェーン店など、「おいしいもの」を選ぶプロのスキルを全部、公開しています。


N君「この店に客がいない理由がわかりました!もう二度と来たくないですね!」

河岸「さっき常連だって言ってたじゃない(笑)」


これは、新刊『「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。』を執筆するために、都内の某洋食屋に“市場調査”に行った際、編集のN君(34歳)と交わしたやり取りです。


N君はこの店の常連とのことでしたが、入店する前から、ここの料理が「まずい」ことがわかりました。


理由は簡単。
「油の酸化したにおい」です。
店の外まで漂っていました。


案の定、店に入って、揚げ物を揚げるフライヤーをのぞき込むと、油が真っ黒。
油の色からして、平気で1~2カ月は取り替えていないはずです。
下手したら、半年ぐらい注ぎ足し、使い回ししている可能性もあります。


「家庭で揚げ物をした油をとっておくと酸化してよくない」と言いますが、そのレベルではない。

敏感な人なら、下痢するレベルです。

外食したあとに下痢したという話を耳にしますが、そのほとんどの原因は油です。


嫌な予感がしましたが、本の執筆のためには仕方がない。

N君のリクエストにより、580円のトンカツ定食と680円のステーキ定食を頼みました。


案の定、油の悪さに、一口食べて気分が悪くなりましたが、問題はそれどころではありませんでした。

なんと「ニセモノステーキ」「ニセモノカツ」が使われていたのです。


■「成型肉」は表示義務があるのに、黙って使う飲食店も多い
河岸「そのトンカツ、衣をはがしてみてごらん。繊維の入り方がここから変わっているでしょう。肉がポロポロとれる」

N君「ほんとだ……。ステーキはどうですか?」

河岸「これも『ニセモノステーキ』だね。いわゆる成型肉というやつ。繊維のくっつき方が変でしょう」

N君「今までこれを食べていたんだ……。ショックだなあ」

スーパーでサーロインステーキ肉を買うと、通常、輸入品でも100グラム600円、国産品で100グラム800円ぐらいはします。


それなのに、なぜステーキ定食を680円で提供できるのか。


どうも解せない値段設定のカラクリは、「ステーキ肉」にあります。
実は、N君がステーキだと思って注文した肉は「成型肉」なのです。

成型肉というのは、骨の周りから削り取った端肉や内臓肉を結着して作ったものです。
味と食感と色をよくするために、「植物性タンパク」「乳タンパク」「卵タンパク」「ビーフエキス」「調味料(アミノ酸等)」「カラメル色素」などさまざまな食品添加物が使われます。


「インジェクション機械」を使って、肉に牛脂を打ち込み、人工的に「霜降り」にすることもできます。
生け花で使う剣山のような注射針が100本ほどいっせいに注入される様は、ちょっと壮観といったところです。


成型肉は法律違反でも何でもありません。
スーパーでも「サイコロステーキ」として売られていますが、その場合はきちんと「成型肉」と表示があります。しかし外食店では、この店のように黙って成型肉を使うところが少なくないのです。


表示義務があるのに、表示をしていない。本当なら、法律違反で罰則があるのですが、表示すると売れないからそれをやらないのです。

そういう店が多い以上、自分たちで「防衛」する必要があります。

しかし、本物のステーキか、ニセモノの成型肉かを見分けるのは、実に簡単です。
ここでその「極意」をお知らせしましょう。


■本物かニセモノかは、中を観察すれば誰でもわかる
ステーキの場合は、ナイフなどで適当にカットして、中の肉を観察してみてください。よく見れば「結着した部分」は誰にでもわかります。

肉には繊維がありますが、成型肉は明らかに繊維と繊維が不自然なくっつき方をしています。
簡単にいうと「タテヨコ、タテヨコ」みたいなくっつき方をしているのです。


そのうえ結着部分は、箸などで簡単に切れます。
切れるというより、結着している面と面がポロッとはがれる感じです。

トンカツの場合も、衣をはがしてから同じようにチェックしてみてください。
誰でも簡単に見分けられると思います。


ポイントは「肉の繊維のくっつき方が自然か不自然か」です。


成型肉は、みなさんが思っているより多く出回っています。食べ放題の店や激安店は注意したほうがいいでしょう。
そうした店の肉がすべて成型肉ではありませんが、使っている率が高いのは否定できないことです。

安くておいしい肉が好きなだけ食べられる外食店。

お父さんも子どもも大喜びしているその「裏側」で、気がつかないうちに成型肉をたっぷり食べてしまっているかもしれないのです。


■スーパーで売れない「古米」が外食に回される
河岸「あと、この店はご飯がおかしいね。たぶん昨日炊いた古いご飯だね。下手をすれば、おとといの可能性もある。ご飯が乾いているし、少しすっぱくなっている」

N君「残ったものをジャーで保温しておいて、次の日に出しているんですか?」

河岸「そう。普通はその日炊いたものを出すけど、『ご飯はその日の炊きたてでなければならない』という法律は、どこにもないからね。店のモラルの問題。付け合わせのキャベツの千切りも、いつ切ったかわからない。パサパサに乾いているよね」


外食では、古米(1年前の米)、古古米(2年前の米)が実に多く使われています。
その際、ふっくらつややかに見せかけるために「品質改良剤」「品質保持剤」あるいは植物性油などが多く使われます。

日本では不作に備えて150万トンほどの米を備蓄しています。
古い米は5年前のものだそうですが、毎年、古い米から消化しなければなりません。

しかしこれはスーパーでは売れないのです。


みなさん2012年産よりも2013年産、2013年産よりも2014年産を欲しがります。
スーパーでは産年の表示が義務づけられていますが、「古米」と書いてあると、安くても買ってくれません。

では、古米は誰が引き取るのか。

その答えは、外食や中食(調理済み食品)なのです。


■コンビニのおにぎりが冷めてもおいしい理由
「なぜコンビニのおにぎりは冷めてもおいしく食べられるのだろう?」と疑問に思ったことはないでしょうか。

それは、コンビニのご飯は、新米が使われているからです。
だから、おいしい。それだけのシンプルな理由です。

一方、激安外食店やチェーンの持ち帰り弁当のご飯は、冷めたらとても食べられたものではありません。
それは1年前、2年前の米を使っているからです。
ウソだと思ったら一度試してみてください。
それくらい日本人は、米の味に敏感なのです。


私は何も「古米、古古米を使うのが悪い」と言っているわけではありません。
外食産業が古米を消費してくれるのは日本国家、国民のために、ありがたいことです。

問題は、それを黙って使っていることです。

「外食の裏側」には、こうしたウソやごまかしがたくさんあります。
野菜だって9割は外国野菜で、しかもその半分は中国野菜だったりします。


しかし、今回紹介した「成型肉の見抜き方」のように、ちょっとしたコツで「おいしいもの」を選ぶことは可能です。
サラダの見分け方やいい店、おいしい店の選び方、おすすめ全国チェーン店なども、新刊の中で詳しく書いています。

ぜひ「裏側」を知ったうえで、今日から使える「安くてうまいものを食べるスキル」を身に付けてください。


新刊はこちら→『「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。』(Kindle版はこちら)